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フーセンガム

第49章 テディベア

(櫻井side)

和也が、泣いていた。

俺は、びっくりするぐらい慌ててた。

和也になにかあったら…。

そう考えるとゾクゾクと悪寒が走った。

助手席には、2つのテディベア。

黄色と赤。

はやく家に帰って、和也を抱き締めなければ。

テディベアを渡さなければ。

思いが走り、違反ギリギリのスピードで家に帰った。

ガチャ!

「和也!」
ニ「しょお!」

目が腫れた和也は俺に抱きついてきた。

ニ「しょお、しょお!」

俺の名前を呼びながら泣いた。

「どうした?」
ニ「しょおが、でてったと思ってぇ」

ずずっと鼻をすすった。

「俺が?出ていく訳ないじゃん」
ニ「でも、帰ってくるの遅かったから」

時計を見ると、4時間が経っていた。

「…ごめん。夢中で気づかなかった」
ニ「なにに?」
「これに」

袋をみせる。

ニ「はっ!」

目を見開いて笑顔になる。

「はい、テディベア」

きれいにラッピングされた黄色と赤のテディベアを和也に差し出す。

ニ「わぁ!ありがと♪」

ぎゅーっと2つのテディベアを抱き締めた。

俺のなかで、方程式ができた。

『和也+テディベア=超絶可愛い』

「うん。正解」
ニ「ん?しょお、なんで赤?」
「こっちは俺の」
ニ「え?そうなの?」
「うん。」
ニ「じゃあ、黄色はしょおので赤は
俺のね」
「なんで?」

和也は首をかしげて言った。

ニ「ヒ・ミ・ツ・♪」

俺を、キュン死にさせる気か…。

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