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フーセンガム

第50章 車中

(二宮side)

車に乗り込む。
今から、雅紀と智くんを迎えに行く。

「よしっ、出発!」
櫻「出発っ!」

何だかんだ、旅行は楽しみ。

「翔くん、翔くん」

声色を変えて、テディベアを翔の顔に近づける。

信号が、赤に変わり翔は横を見る。
案の定、近くにテディベアがあってびっくりしてる。

櫻「うわっ」
「僕の名前は、櫻井ショウリンだよ」

我ながら、ネーミングセンスが悪い。

櫻「ショウリン?」
「そうだよ、ショウリンだよ」
櫻「可愛い~」

ネーミングにはこだわらないんだね。

「ショウリンは、誰よりも和也が大好きなんだよ。」
櫻「え!?」
「翔くんよりも、好きだよ」
櫻「それはないよ!」
「きゃー、否定されちゃった」

声色を戻す。
否定するように仕向けたのは俺だけど。

櫻「俺は世界で一番和也が…」

信号が青になってもブツブツ言っている。

「翔」
櫻「へ?」
「雅紀ん家…過ぎたよ」
櫻「あぁ、ごめん」

もぅ、俺のこと考えすぎ♪

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