テキストサイズ

フーセンガム

第52章 大人の話

(大野side)

「結婚かぁ…プロポーズは?」
櫻「聞いちゃう?」

翔ちゃんの顔が緩む。

「聞いちゃう」
櫻「したよ~」
「なんて言ったの?」
櫻「籍は入れられないけど結婚しようって」

恥ずかしそうに笑う翔ちゃん。

「そんなこと言ったの?」

こっちまで、恥ずかしい。

櫻「言ったよ、勢いだけど」

二人で向き合う。

「「ふははっ!」」

楽しいな…。

「もう、全然大人になんてなってないね」
櫻「そうだね。でも、智も俺も大切な人と二人きりになったら変わるんじゃない?」
「うーん…そうなのかな?」

実感がない。

櫻「でも、二人とも、ちゃんと大人になってるよ」

優しく笑う翔ちゃんの笑顔は、

なんとも言えない安心感がある。

櫻「そろそろ寝る?」

コップをキッチンに運び、欠伸をする翔ちゃん。

「うん。まーくんが待ってる」

声が弾む。

櫻「先に、部屋戻っていいよ」
「ほんと?ありがと、おやすみ~」

翔ちゃんの言葉に甘えて、部屋に戻った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ