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フーセンガム

第57章 illumination②

(大野side)

二人で帰るようになってから2週間という月日が経っていた。
寒い帰り道も、哀川くんと一緒だと温かく思えた。

その日は、雪が降っていた。

哀「智、好きだよ」
「…………え?」
哀「俺、智が好きだよ」

白いマフラーが哀川くんの頬の赤さを際立てている。

「ほんと?」
哀「うん。好きだよ」

哀川くんが笑う。

「僕も…好きだよ」

僕も気持ちを伝える。

哀「智…」

ぎゅっと抱き締められる。

「哀川くん…」

傘なんて、放り投げて抱き合った。

哀「好きだよ」
「僕も、好きだよ」

しばらく見つめあうと、哀川くんが僕の頬を撫でた。

それが合図のように、キスをした。

哀「智っ…」
「…冬斗っ」
哀「好き」
「…大好き」

それぞれ、頬にちゅっとキスした。

白い雪が、僕たちを祝福しているように感じた。

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