フーセンガム
第58章 illumination③
(櫻井side)
「智、大丈夫?」
智は、学校に来なかった。
もう、数ヶ月後には高校だ。
大「帰って」
それしか言わなかった。
「冬斗…まだ見つからないって」
大「…っ」
「まだ生きてるかも…」
大「帰ってよ!」
智は、絶望を一人で抱えていた。
「冬斗が…なんで智を助けたかわかってるの?」
大「…帰れ。聞きたくない。」
智は、耳を塞ぐ。
大「一人になりたい」
「智が好きだからだよ」
大「…。」
「冬斗は、智が好きだから智を助けたんだ。」
智は、耳を塞ぐ手をゆっくりとおろして言った。
大「でも…」
「智が、冬斗を置いていけないと思ったように冬斗は智に生きてほしいって思ったんじゃないかな?」
冬斗のお母さんから聞いた。
冬斗は、重い病に犯されていて
余命一年だったと。
でも、智には言えない。
…いや、言わない。
大「僕に?」
涙がたまる。
「そうだよ。俺だって冬斗が死んじゃって辛い。でも、あのときに智が死んでたら俺はこの世にいないかもしれない。」
いいかけた言葉。
『駄目だよ!智まで死んだら、俺も生きていけないよ!お願いだから…死なないでっ』
あのときの涙は、
一生忘れないよ。
大「翔ちゃん…」
「智が立ち直れるまで、ずっと側にいるから。」
大「うっ、うんっ」
「冬斗のために、生きよう?」
「智、大丈夫?」
智は、学校に来なかった。
もう、数ヶ月後には高校だ。
大「帰って」
それしか言わなかった。
「冬斗…まだ見つからないって」
大「…っ」
「まだ生きてるかも…」
大「帰ってよ!」
智は、絶望を一人で抱えていた。
「冬斗が…なんで智を助けたかわかってるの?」
大「…帰れ。聞きたくない。」
智は、耳を塞ぐ。
大「一人になりたい」
「智が好きだからだよ」
大「…。」
「冬斗は、智が好きだから智を助けたんだ。」
智は、耳を塞ぐ手をゆっくりとおろして言った。
大「でも…」
「智が、冬斗を置いていけないと思ったように冬斗は智に生きてほしいって思ったんじゃないかな?」
冬斗のお母さんから聞いた。
冬斗は、重い病に犯されていて
余命一年だったと。
でも、智には言えない。
…いや、言わない。
大「僕に?」
涙がたまる。
「そうだよ。俺だって冬斗が死んじゃって辛い。でも、あのときに智が死んでたら俺はこの世にいないかもしれない。」
いいかけた言葉。
『駄目だよ!智まで死んだら、俺も生きていけないよ!お願いだから…死なないでっ』
あのときの涙は、
一生忘れないよ。
大「翔ちゃん…」
「智が立ち直れるまで、ずっと側にいるから。」
大「うっ、うんっ」
「冬斗のために、生きよう?」