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フーセンガム

第61章 下準備

(櫻井side)

ニ「翔、いってらっしゃい♪」
「いってきます♪」

可愛い和也の笑顔をみて、会社に向かわない。

「もしもし、櫻井です。あぁ…はい」

通話を終えて、スマホを助手席に置く。

「水澤…またアイツか」

今日、向かう先は…

『ウェディング水澤』

水澤の母親が、経営している会社。
水澤をうちの、衣服課に配属させるという条件で、式場とドレスをおさえてもらった。

「なんだかんだ、水澤には助けてもらってばっかりだな…」

学生時代から、助けてもらっていた。
俺だけじゃなくて、和也までも。

「たまには、礼でも言うか」

駐車場に車を停め、白い扉を開ける。

水「遅い。いつまでまたせんだよ」

…イラッ。
さっきの言葉、撤回します。

「はぁ…ドレスは?」
水「はぁ?見んの?着たヤツ見たほうがいいんじゃないの?」
「あ、確かに」
水「ふっ、とにかく式場の紹介とかその他の話するから座って」

水澤の正面に座る。

なんか…緊張してきた…。

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