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フーセンガム

第64章 知り合い

(櫻井side)

「おかえ……」
哀「よっ」

雅紀を迎えに行くと、冬斗がいた。

「ふ、冬斗?」
哀「夢じゃないからね」

笑いながらいった。

相変わらず俺の心情を読むのがうまい。

「わかってるよ。」

笑ってみたけど、声は驚くほどに震えていた。

哀「すぐ泣くんだから」
相「昔からなの?」
哀「うん。無駄に感動屋でね」
「そーゆーの言わないでよ!」
ニ「翔、長岡さんから電話……」

車から、和也が降りてきた。

ニ「えっ」
哀「あっ、にのちゃん」
ニ「冬斗って、冬くんだったんだ」
哀「あ~、知ってたんだ」

……知り合いですか?

ニ「冬くん、歩けなーい」

和也が、途中で立ち止まった。

哀「えー」

冬斗が、和也を……抱き抱えた。

「な、なにしてっ!」
ニ「ありがとう♪冬くん」
哀「はいはい」
「か、和也!?どっどうゆう!」

雅紀も不思議そうに見ていた。

ニ「近所のお兄さん。いつも抱っこしてもらってたの、ねっ?」
哀「うん。でも、世界狭いな」

二人は、再会を喜んでいた。

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