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フーセンガム

第65章 面影

(大野side)

翔ちゃんから、勧められたチョコレート専門店でバイトをしている。

このお店は、少し変わっていて個室でチョコレートを食べることができる。

「チョコより……パン食べたい」

パンは、しばらくずっと食べてない。

僕と、冬斗を繋ぐ唯一のものなのに…。

ス「大野くーん、お客様」
「はーい」

またお客様がいらしたようです。
メニューを手にもち個室に足を進める。

「っあ……」

不意に嫌な予感がして、扉にかかる手を一度引いた。

「……きっと…大丈夫」

自分に言い聞かせてノックする。

『あ、どうぞ』
「失礼します。」

扉を開く。

「こちら、メニューで……」

目があったお客様は、目を見開いて驚いた表情で僕を見ていた。

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