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フーセンガム

第66章 儚い夢

(哀川side)

『ここが、冬斗の居場所なんだよ』
って言わんばかりの表情をする。

昔から、分かりやすいんだから。

大「冬斗は、大切な友達だから」

微笑む智は、妙に綺麗で…。

「あぁ、また。」

言い残して、店をでる。

その瞬間、
現実に引き戻された。

目の前に、広がる景色は人が群がう交差点。

俺は、このなかから智を見つけ出す自信があるか?

答えは、すぐにでる。
答えは、無理だ。

「あ、でも翔だったらにのちゃんを見つけられそうな感じするな」

幸せと、悲しみが満ち溢れた笑顔をこの都会に残して島に戻る。

次に、この都会に笑顔を迎えにくるときは幸せになってないと。

いつか……
いつか……

迎えにくるよ。

俺が幸せを掴んだころに、
この笑顔を迎えにくるよ。

『昔の話』として話せるようにね。

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