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フーセンガム

第69章 秋の訪れ

(二宮side)

翔が、俺の体を撫でる。

「翔、駄目だって…(笑)」
櫻「え?だって、『愛して…』って言ってたじゃん」
「愛してるって言おうとしたのを、翔がキスして止めたんでしょ。」
櫻「えー?」

もう、どんだけ抱きたいの(笑)

櫻「今日は、早く帰るからね」
「ほんと?」
櫻「本当だよ」

翔が、微笑んだ。

「やった…」

翔に聞こえるか聞こえないかの小さい声で呟いた。

櫻「嬉しい?」
「……べ、別に」

口では、否定してても多分顔は喜んでると思う。

櫻「そっか。」

翔は、少し小さい声で言った。

……あれ?
もしかして、勘違いさせた?

櫻「学校、気を付けてね。」

そう言うと、俺に背を向けた。

絶対に勘違いさせた……。
俺が素直になれなかったからだ…。

「翔…」

背後から抱きつく。

櫻「なに?」
「俺、嬉しいよ」

翔は、黙ったままで…。

「翔が、早く帰ってくるの…嬉しい。」

翔に抱きつく腕に力を込める。

「だから……離れないで…」
櫻「わかってるよ。和也が喜んでるのわかってるよ。」
「え?」
櫻「だって、顔に出てたし」

顔に出てた?

櫻「ごめんね。意地悪しすぎた」
「翔のバカ!」

翔の背中を叩いて、翔に背を向けた。

櫻「ごめん。」

今度は、翔から抱きしめてくれた。

櫻「誰よりも、愛してる」

耳元で囁かれる。

「……離れない?」
櫻「離れられないよ」
「じゃあ、許すっ」

なんだかんだ言って、すぐに翔を許してしまう。

櫻「時間、大丈夫?」
「ん?」

時計をみると、7時30分を指していた。

「あ、ヤバッ。朝ご飯食べないと…」
櫻「俺も」

結局、俺のせいで翔が寝れなかった。

櫻「一緒に食べようか」
「うん!」

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