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フーセンガム

第71章 優しさ

(相葉side)

「どうした?にの」

にのが、机に突っ伏していた。

ニ「…翔に酷いこと言った」

机に突っ伏したまま言った。

「え?ケンカしたの?」
ニ「翔…いつも深夜に帰ってくるの」

仕事だよね?

「社長だからね…。忙しいんだね」
ニ「わかってるよ。仕事だってわかってるよ?けどね…疑ってから…」

にのの声が小さくなる。

「ん?」
ニ「うわ、き…してるのかなって…」

浮気?

ニ「疑ってから…翔が信じられなくなっちゃって…」
「浮気なんてしてないでしょ?」
ニ「してないよ。けどね…『愛してる』って言葉が…薄っぺらく聞こえてきて…」

初めてみた…。
にのが、こんなに辛そうなの…。

ニ「雅紀…俺はどうすればいいの?」

あげた顔は、涙で濡れていた。

ニ「…どうすれば、翔を…っ…信じられるかな?」

嗚咽交じりの声だった。

「にの…」
ニ「うっ…雅紀っ…」

俺の手をにのは涙で濡れた手で握った。

にののこんな姿…
俺は見たくないよ…。

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