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フーセンガム

第73章 すれ違い

(櫻井side)

沈黙を貫き、家についた。

もし、浮気してるなら…俺の何がいけないの?
教えてくれよ。

ニ「…翔」
「なに?」

いつもなら、楽しい食卓のテーブルで向かい合って座った。

ニ「仕事は…忙しい?」

俺の顔色を伺いながら、言った。

「まぁ…うん」
ニ「そっか……お疲れさま」
「うん…」

再び、沈黙が襲う。
お互い、言いたいことがあるはずなのに言い出せない。

ニ「…この間の話なんだけどさ」

和也が、沈黙を破る。

ニ「翔はさ…仕事で…帰りが遅いんだよね?」
「そうだよ。他に何があるの?」
ニ「……。」
「疑ってるの?俺が…浮気してるって」

和也が、俯く。

「俺のこと、信じてないの?」
ニ「…翔はなんで俺を迎えにきたの?」

和也が、叫ぶように言った。

「…えっ」
ニ「俺のこと、信じてないのは翔も同じじゃないの?」
「……。」

なにも、言い返せなかった。

ニ「翔は、なんで迎えにきたの?」
「和也が…うわ…」


ニ「考えてること、一緒じゃん。」


和也が、冷たい目を俺にむけた。

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