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フーセンガム

第73章 すれ違い

(二宮side)

もう、終わりだ。

お互いが、お互いの浮気を疑っている。

櫻「お、俺は!」
「もういいよ。俺は、もう翔とはいられないよ。」
櫻「和也……」
「もう…翔のこと好きに、なれないと思う。」

疑いが、晴れない。

櫻「和也」
「やめてよ。もう、翔のこと恋人だって思ってないから」

もう、涙も流れない。

長い、長い夢のような恋は
一気に覚めた。

櫻「和也…」

呟く翔に、背を向けて靴を履く。

「俺の時間…返してよ」

捨て台詞を言って、
翔と俺の愛の巣を出ていく。

「いままで、愛してくれてありがとう」

玄関に向かって、頭を下げる。

「大好きだったよ」

翔との思い出は、驚くぐらい綺麗なものばっかりで…。

「…幸せになりすぎたんだよ」

自分自身を叱った。

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