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フーセンガム

第75章 汽笛を鳴らせ

(櫻井side)

「なんで、出ないんだよ!」

こんな、
『まだ、翔が好き』
みたいな手紙渡しといて!

「もう……会いたい…」

口から溢れたのは、本音。

長「社長」
「あ?」
長「二宮様から、伝言が…」
「えっ!なに?」

子供みたいにはしゃいでる自分に、呆れた。
もう、22歳だぞ(笑)

長「電話は、しないでほしいと…」

…アイツ、長岡とは連絡してるんだな?

「携帯、貸せ」
長「無理です。」
「なんでだよ」
長「社長に貸したら、もう二度と私と連絡はとらないと言ってますから」

クッソ!
いつから、計算高くなったんだよ。

「んもぉ~!」

髪の毛を、グシャグシャにして携帯を握る。

「ぜってーに会ってやる。」

もう、止まんない。

止まってた列車が、動き出して汽笛をならした。

いつからか、幸せを見失ってた。


「お前を、引き戻してやる」

俺という、場所にな。

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