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フーセンガム

第76章 手を叩け

(二宮side)

「じゃ、また明日ね」
新「おう、気を付けてな」

新に背を向けると、雅紀がいた。

白い息を吐きながら、走ってきた。

「雅紀?どうしたの?てか、久しぶり」

大学が同じでも、会うことはなかったから、久しぶり。

相「櫻井先輩…来るっ…」

マフラーを緩めながら言った。

「え?」
相「なんでか、わかんないけど大学特定されたみたい…」

…雅紀と同じ大学に通ってるって言ったのは俺。

「家の場所、教えた?」
相「へ?あ、俺のはね」
「はぁ~」

俺は、その場にしゃがみこんだ。

・俺と雅紀が同じ大学(俺情報)
・雅紀ん家から大学が近い(雅紀情報)
・最寄り駅がわかる(ネット情報)
・行き方がわかる(ネット情報)

=この大学

「見事なほどの方程式だな…」
相「え?なにが?」
「あ~も~!逃げる!」

雅紀は、ずっとバカなまんまだ!

「雅紀のバーカ!」

そう言い残して大学を走って出ていく。

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