テキストサイズ

フーセンガム

第77章 ほんとの話

(櫻井side)

ニ『少し…ここで整理させて』

そう言った和也を残し、自宅に戻る。

水「おかえり」
「和也が、戻ってきた」
水「…そう」
「だから……」
水「ついてきて。」
「え?」
水「いいから」

何も言わないエリカに連れて来られたのは、市役所だった。

水「すいません。櫻井翔って結婚してますか?」
「は?」

市役所に勤めてるスタッフは、キーボードを弾くように叩いて言った。

ス「していらっしゃいません」

………………………は?

水「ありがとうございます。」

エリカは、市役所を出た。

「どういうことだよ!」
水「ふっ、騙されちゃった?」

騙した?

「説明しろ。」
水「説明は、二宮くんがいる場所で」

真顔でいうエリカに圧倒された。

水「あ~、二宮くんに会うの久々」
「……。」
水「2年ぶりぐらいかな」

2年か……。
俺と、離れたころ…。

水「忘れられないよ」
「なにが?」
水「泣きながら、訪ねてきた二宮くんの顔と声が」

和也が、水澤を訪ねた?

水「いつか、こんな日がくると思ってたんだよ。ほんとの話をする時が」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ