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フーセンガム

第80章 だからこそ

(櫻井side)

また、二人の生活が始まった。
部屋は、昔のまま。

2年前と同じように、日々を過ごす。

ただ、ひとつ。
変わったことがある。

ニ「あー!死んだ!」

和也は、画面に向かい叫ぶ。

ニ「ふざけんなよっ!今のは当たっただろうが!」

和也は、ゲームに夢中だ。

俺は、こたつの温度を少し高くした。

こたつも前まではなかったけど、
和也が欲しいと言ってきたから買った。

ニ「ねぇ、しょ~お」

さっき叫んでいた声とは変わり、
甘えた声をだす。

「ん?」
ニ「寂しい?」
「え?なんで?」

ニ「…ばーか」

こたつの中に潜った。

「和也」
ニ「なに、バカ」

和也に声をかけると、こたつから顔を出して向かい合わせで座った。

「バカとか言うなよ」
ニ「ごめんなさい…」
「素直でよろしい」
ニ「で、なに?」
「新しいゲーム、買ってやろうか?」

そう声をかけると、和也は明らかに不機嫌そうな顔をした。

ニ「別にいらないもん」

ふいっと顔を背けた。

「てか、大学は?」
ニ「午後から」

今は、8時。

「そっか。送ろうか?寒いだろ」
ニ「いいよ。大丈夫」

そう言って、またこたつに潜った。

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