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フーセンガム

第7章 気付き

(大野side)

翔ちゃん、どこ行ったのかなぁ~。

もう、6時近くなのにどこにもいない。

「おっかしいなぁ」

首をかしげて、校内を探し回る。

「キャー!」
「ねぇ、翔ちゃん見た?」

女子達に話しかけると逃げて行ってしまった。

「…もう、知らないのかぁ」

みんななら…翔ちゃんなら舌打ちして「うるせぇ」って言うんだろうな。

二「翔さん?」
櫻「あっ、ごめん」

ん?
物陰から、二人の声がする。

チラッと覗く。

二「しょおさん」
櫻「かず」

二人でニコニコしながら名前を呼びあっている。

「んふふ、幸せそう」

その場に腰をおろし、和む。

二「翔さん、大野先輩待ってるんじゃないの?」
櫻「………そうだった」
「翔ちゃん、迎えにきたよ」

顔を出すと、抱き合ってた二人は離れた。

「いいよ、僕の前ぐらいはさ」

改めて、抱き合った二人を見ると妬いてしまう。

二「いや、いいです」
櫻「じゃ、またね」
二「うん、また明日」

胸が、大袈裟に鳴る。

櫻「…智?」
「あ、ごめん」

先を進む、翔ちゃんについていく。

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