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フーセンガム

第10章 フーセンガム

(櫻井side)

恋は、フーセンガムに似ている。

二「智くん、パン食べてないですよね?」
大「食べてないよ~」

いつもどおり、購買のテーブルを囲む。

相「俺は、大ちゃんを食べ…」
「言うなよ」

雅紀と、智も相変わらずうまくいってるみたいだし。

俺の周りは、幸せなヤツばっかり。

二「智くんにいいもの持ってきましたよ」
大「え?何?」

かずが、かばんをごそごそとあさり始める。

二「はい。」

かずが智に渡したのは、手のひらサイズの正方形の箱だった。

大「何?これ?」
「ん?ガム?」

かずに聞くと、笑顔でうなずいた。

大「何でガム?」
相「それ噛みながら、パン見てれば?」
「え?食べてるつもりって事?」
二「まぁ」

それで喜ぶのかな…。

大「わぁ!ありがとうっ、和也くん」

喜んでる。

二「どういたしまして」

かずも、満足そうに笑う。

智は、口の中にガムを放り込む。

大「いちご味~」

智が、嬉しそうに両頬を押さえる。

「じゃ、帰る?」

雅紀と、智のピンクのオーラにそろそろ耐えられなくなってきた。

二「帰ろうか」

かずも同じことを考えていたみたい。

大「相葉くんも食べる?」
相「食べる~」

ますます濃くなっていくピンクのオーラ。

二「急ぎましょうか」

かずにせかされて、すばやく校門を出る。

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