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フーセンガム

第16章 修復

(櫻井side)

玄関がガチャっと音を立ててしまる。

「……かず?」

何も返事が無くて不安になる。

「…ごめん」

呟くと、小さい足音が少しずつ近づいてくる。

ニ「……しょおさん」

ズズッと鼻をすすりながら、腕で目をこすったかずがいた。

「かず…」

かずに近づいて抱き締めようと手を伸ばす。

けど、途中で止まってしまう。

「くっ…」

悔しくて拳で足を叩く。

ニ「しょおさん…好きだよ」

泣きながら俺に抱きつく。

ニ「ふぇぇ…」

かずだ。
ずっと…触れたかったかずだ。

「かずっ」

ぎゅっと抱き締める。

ニ「しょおさ~ん」
「ごめん、ごめんかずっ」
ニ「バカっ、しょおさんなんて大好きだ~」

俺の腕の中で泣くかず。

「大好き」
ニ「…。」

かずから返事がない。

「どうした?」
ニ「やっぱり、一緒がいいよ」
「えっ」
ニ「俺は、翔さんが好きだから。翔さんが俺を嫌ってても…翔さんが好きだから」

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