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フーセンガム

第17章 夏休み

(櫻井side)

終業式中に、かずがどこかへ行ってしまった。
見た感じ、具合は悪そうじゃなかったけど…。

見に行こうかな…。

そう思うと、体が動いていた。

「あの…お腹痛いんで、保健室で少し休んできてもいいですか?」

あっさり、OKをもらった。

廊下をスタスタと歩いて、保健室のドアを開ける。

ニ「……翔、さん」
「大丈夫?かず」
ニ「…………ふぇぇん」

泣きながら抱きついてきた。

「え?どうした?」
ニ「翔さんが卒業しちゃうの嫌だよ…。会えなくなっちゃう…。」

か、可愛い…。

「大丈夫だよ。ちゃんと連絡するし、会うから」
ニ「本当に? 」
「うん。当たり前でしょ?」

かずの頭をくしゃくしゃっと撫でる。

ニ「えへへ…。大好き、翔さん」
「俺も好きだよ、大好き」

保健室には誰もいなくて、二人だけの空間になる。

ニ「旅行…楽しみにしてるね?」
「うん。かずが乱れるの早くみたいしね」
ニ「へ、変態っ!」

顔を真っ赤にする。

「愛してる?」
ニ「愛してるよ」

キスを交わして、体育館にそれぞれ戻ったのだった。

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