テキストサイズ

溺愛禁止。

第17章 あの頃には戻れない

酷く傷ついたような目で見つめられて
私の胸も痛むけれど



「私なら…自分の幸せよりも

自分が大切な人の幸せを願う。



例えそれが


相手に振り向いてもらえなくても

辛くても苦しくても



私なら…



好きな人を絶対に騙したりしない」




そう言ってチラリと蓮君に視線を向けると
興奮気味の私とは対照的に


この状況で静かに微笑んでいる。



その表情に、私は少し落ち着きを取り戻していた。




健太は…


また一つ大きな溜め息を吐くと




「…片想いの相手の幸せを願うなんて


本気で好きだったらそんな風に思えるかな…?


自分と幸せになって欲しいって思うのは当然なんじゃないか?」



それは…

できればそうなりたいと思うだろうけど…






「別に……コイツじゃなくたっていいだろ?」



え…?






「恋実……俺と恋愛しよう?


第一、俺とコイツの


何がそんなに違うって言うんだよ」




ストーリーメニュー

TOPTOPへ