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秘密の時間は私のもの

第11章 見せてもらった2




「つーつーみーくんっ♪」


放課後。

嬉々として自分のクラスに顔を見せた神月にギョッとする堤。


ーーおいおいおいおい!

ーー違うクラスだし、関係性疑われるだろ!


そんな堤の気持ちを察する気もないのか

神月はずかずかと堤の元へと歩み寄る。

ひぃいと読んでいた本で自分を隠すも

半分以上隠れていないのであまりに無意味すぎる堤の行動。

そんな堤を見て、神月がぼそりと呟いた。


「.....堤くんって本当最高だよね。僕の思ってること、全部汲み取ってくれるんだもん」


ーー“僕の思ってること”

ーーなんてどうせ碌でもねぇことなんだろうが


そんな堤の予想は大当たりな訳で。


「ここで言うのもなんだし、いつものとこ、行こ」


ちらりと視線だけ動かし見た神月の顔は

恐ろしいほど笑っていて、堤に行きたくない欲を叩き込んだ。

その上、堤の目に見えている神月のポッケから出ている紐。

この上ない嫌な予感が堤を襲う。

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