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秘密の時間は私のもの

第11章 見せてもらった2

そんな堤の肩を誰かが乱暴に引っ張り

堤は否応なしに後ろを振り返ることとなった。

振り返って見えたのはどこか不機嫌そうな女子数名。

何事かと思っているとその内の1人が口を開いた。


「なんで、仲いいの?」

「は?」

「あんたみたいなナリヤンと神月くんがなんで仲良さそうなのよ!!」


正しく八つ当たりのようなそれには流石に堤もイラッときた。


ーーはぁ?なんだそれ

ーーそれじゃまるで“俺に”非があるみたいじゃねぇか

ーーつーかナリヤンってこの女、どこでそれ判断したんだよ


様々な思いが湧き出、言葉として出そうとしたが

また女が口を開き、堤はそれを阻まれた。


「神月くんはみんなのアイドルなのよ!“喋るの禁止。見るだけ”の掟まであるんだから!!」

「.......は?あいつのどこがアイドルだよ」

「あんたみたいに穢れてないの!見なさい。あの天使のような笑顔。その上、学年主席!彼のいるクラスは楽園と言われるほどなのよ」


堤の記憶の中にいる神月とは遠く離れすぎていて

堤は幾度となく自分の耳と女の目を疑ったのだった。

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