テキストサイズ

秘密の時間は私のもの

第11章 見せてもらった2







ごそごそと目の前で何かの準備をしている神月を見て

先程の女の言葉を再度考える。



“神月くんはみんなのアイドル”
“喋るの禁止。見るだけ”
“天使のような笑顔”
“学年主席”
“彼のいるクラスは楽園”



ーー.......いやいやいや、ないないない


堤は全力で否定をする。

なぜなら、とちゃんと理由もあって

そう言われていた男は現在、大人の玩具らしからぬものと

ローションを並べ、キラキラとした笑顔で堤を見ているからだ。


ーーこれがアイドル?笑わせんな。ただの変態じゃねぇか


こんな変態をアイドルと謳う女にナリヤンとまで言われ

一方的に責められたことが今となって腹立ち、ぎりっと奥歯を鳴らす堤。

そんな堤にゾクッとしながらも神月が言葉を発す。


「どうしたの?何か考え事?」

「........アイドルに学年主席。初耳だぞ。変態」

「?アイドルに関してはなんのことだかさっぱりだけど後者に関してはただの事実だね。気にしないで」


にこりと笑うそいつに多少のムカつきと何かキュンとしたものを得た堤。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ