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秘密の時間は私のもの

第16章 覗き見る者

ここでバチリと視線が合えば無視はしないであろうと思ったのに。



....って何を俺はさっきからこいつにもの聞くだけで

こんなわたわたしてんだよ

屋上踊り場のことがあったとは言え

相手は滝波ぞ?ただの変態ぞ?



それに、さっきの様子を見るに


滝波自身もそんな深く考えてあの言葉を発してなさそうだし


気になるんなら、聞いてしまえばいいんだ。



「おい......」

「はい?」

「......中に誰がいるんですか」



振り向いた滝波の顔が一瞬にして険しくなったのが分かった。


それ以上に俺はもっと険しいだろう。


滝波に、この変態に敬語って.....


ちょっと気まずいからって、どうかしてる。


全身に鳥肌を立て、固まっていると


辛うじてそこまで鳥肌は立っていないらしい滝波が、ある一点を指差す。


そこに立て、というわけなのだろうか。


ならば、と立って、見えたもの。


それは











「あははは」











笑う男とどこか不貞腐れてる颯太だった。

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