無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

その男は初めて見る顔で。


それなのに“誰なのか”が一瞬で分かったのは


颯太が不貞腐れているだけではないと分かったから。


頬を微かに染めていることに気付いたから。



そうか.....

あの男が





“上野”か





それにしても結構なイケメンだな。


今まで目に付かなかったのが不思議なくらいだ。



.......まあ、俺よりかは劣ってるけど



無意味な意地を張る俺など見えぬ中の2人は


なかなかいい感じのようで。


初々しい雰囲気はまるで颯太が話していた


入学式以来の再会を思わせる。



まあ、実際そうなんだろうけど



颯太が俺に言ってたのは


視線があったとか姿を見たとかその程度の小さなものだし。


話しかけさえしなかったみたいだしな。


そんなんだったのに、今回のこれはすごいチャンスなんじゃないか？颯太。


今告らなきゃ男が廃る。



さぁ、頑張れ



心の中で小さく応援し、踵を返す。