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秘密の時間は私のもの

第16章 覗き見る者

結果を見届けたい気持ちももちろんあるのだが


胸の奥の奥の方。


何故かそこが痛み、


これ以上見たくないと叫んでいる。


だけど、忘れていた。


再度、ぐいっと襟を引っ張られ、首を締められる。



「ぐえっ....おま....!マジd」

「彼、上野聖。1組の優等生ですよね?
なぜそんな彼と颯太くんが話し込んでるんです?どこか親しそうですし
藤塚氏、なにか知っているなら白状しなさい」



この女の存在を。


どうする?


教えるべきか否か。


.....そのうち言わなきゃいけない時が来るには来る。


颯太が成就した時、俺らは全く関わらなくなるから


こいつの(勝手な)創作活動も終わりを告げることになるだろう。


その時、きっとこいつは理由を言わなければ納得しない。


しつこいくらいに聞かれる未来を考えるなら


今言った方が善かもしれん。


颯太、悪いがお前と上野の関係だけこいつに話すわ。

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