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秘密の時間は私のもの

第16章 覗き見る者

颯太に聞かされた内容を思い出し


多くは語らず、簡潔にを心掛け、俺は口を開いた。



「颯太と上野は同じ中学校でだち。それ以上でも以下でもない」



大まかな2人の関係性だけを述べ、ちらりと滝波の様子を伺う。


滝波はこれだけの事なのに、なにか悩んでいるらしい。


出来ればこれだけで納得して頂きたい。


これ以上のことを話すには少々話が長くなり


且つ、言いにくい。


まあ、言いにくい箇所をはっきりこうですって言うつもりもないが。



「.....その、だちっていうのは“今は”の話ですか?」



本当こいつは.....


なんて鋭いんだ。



つーか、どこでそう思って.....



思うが、ちらりと見た保健室の颯太。


そこまでのやり取りを見ていないから


何故そうなったか知らないが


上野の手に包まれる颯太の顔は真っ赤だ。


誰がどう見てもそうなのは一目瞭然。



「そうだな。颯太はお前が察する通り、上野が好きだ。でも上野がノーマルだからって臆病になってやがんだ」

「ふーん.....じゃあ」






「2人が付き合ったら貴方、どうするんですか」





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