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秘密の時間は私のもの

第18章 結局俺は

自分の手に持たれている、移動教室の教科書を一目見てから


目の前の男を見据えた。



「良いのか?秀才くん。授業始まったけど」



嫌味たっぷりのそれを上野に浴びせる自分。


性格悪いなーと思う。


思うだけで反省はしないけど。



「その“秀才”っての、俺が1組だから言ってんのか」

「そりゃあな。うちで言う1組は特進だからなぁ
それはそれは立派な頭脳をお持ちなんだろ?
俺みたいな低俗とこんな所にいちゃダメなんじゃねーの」



流石の上野も、今の俺の言葉には眉をピクリと動かした。



こんな奴が立川と関係持ってたなんて



とか、思いそうだな。こいつ

それに、あの会話で分かっただろうけど

体だけの関係だなんてな

腸煮えくり返って仕方ないだろうなぁ



上野の握る拳が僅かに震えている気がする。


怒りを抑えているんだろう。



そりゃそうだ

1組の優等生が人を殴りました、なんて洒落にならんもんなぁ


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