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秘密の時間は私のもの

第24章 2人の帰り道 1人の決意

送信をすると、即スマホが震える。


あまりの早さに少し微笑が漏れた。



『はい』



....うん。そりゃ、まあ早いわな。


それにしても、固い。


俺と颯太は上司と部下かと言うほど。



『なぁ、颯太。敬語、止めね?なんか固くて嫌なんだけど』

『はい』
『あ、う、うん、』
『!』



1度に3文章。


いろんな意味であるあるだが、慌て過ぎだろ。


笑いを我慢し、肩を震わせる。



『あ!また笑ってる!』

『颯太、慌て過ぎw』

『だって...』



不安いっぱいのその一言に、隣をチラ見。


颯太は俯いていて、表情は見えないが


スマホを打つ手は止まっているようで


次の文章を相当悩んでいるらしかった。


ずばりあの事を出せばいいものなのか


でも、出したらまた空気が、なんて思っているんだろう。


これは俺が、早々に気にしてない事を伝えるに越したことはないんだろう。


慎重に慎重に傷付けないよう罪悪感を蒸し返さぬ様。


それを心掛け、言葉を選んで文章を組み立てていく。



『颯太、掠れてて聞き取りずらかったかもだけど、俺、怒ってないぞ?』

『でも!』



当たり前のように反抗する颯太。


これはもうシナリオ通りなので、慌てない。

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