テキストサイズ

秘密の時間は私のもの

第25章 見せてもらった5

そんな堤を見据えて神月が口を開く。


「だっていつもの堤くんだったら
何で家知ってんだよ!!きめぇんだよ!このドクソ変態が!!豚小屋帰れ!!
って言う筈なのに。それどころか僕の心配なんて
あ、今の言葉、想像しただけ勃ちそう...」


ここまで一息。

股間を抑え、身震いをする神月を見て、次は堤が固まる。

それはお前の願望であり、俺はそんなんじゃ

と思えど

もしかしたらこんな神月といるから毒されて?

とも思う堤。

でも、取り敢えず分かること。


ーーこいつ、マジで末期だ


堤は随分前から分かっていた筈なのだが

そんな奴を俺が好きになる訳ない、という思いからなのか

どこかまだ認めきれていない箇所があった。

しかし、今遂に認める。


ーー俺は“こんな奴”が好きなんだ...


はぁと頭を抱える堤など見ず知らず。

神月は未だに熱弁している


「それに堤くん、“気を付けて”って帰りの心配までしたよね?!
ほんと、心配過ぎだよ.....」

「...帰ってくれねーの?」

「うん。すごく心配だもん」

「...分かった。じゃあ約束しろ。俺に触れない、近寄らない、喋らない
以上」

「え?!それって看病の意味」


神月の言葉を無視し、部屋に戻って行った堤は知らない。


「...ま、いっか。どうせ触りたくなるし」


神月の持ってきた袋の中には、看病には絶対不要なものが入っていたことに。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ