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秘密の時間は私のもの

第26章 忠告

今すぐ持っているその手を振り払いたいが


ここは特進科のテリトリー。


そんなところで普通科が問題を起こしてみろ。


面倒臭いとか言う話じゃなくなる。


説教×反省文は当たり前のようにセットで来るだろう。


それはこの前の1件でうんざりなので



(しかも今回"も"俺が悪いわけじゃねぇし)



とりあえず、優しく丁寧にを心掛けお断りしよう。


そうと決まればと、顔面に思いっきり営業スマイルを貼り付ける。



「いえ、だいじょ」

「いえ、言って下さい。一日一善。基本です」



.......はぁ?こいつ何言ってんの



どうやらかなり面倒臭いタイプに目をつけられたらしい。


小さな親切大きなお世話。


正にこのこと。



「いや、本当にだいじょ」

「そう言わず。どうぞ」



この話の通じない感じ。


むしろ聞こうともしない感じ。


身に覚えがあり、イライラゲージが溜まっていく。



「誰か探してるとかですか?誰ですか?名前さえ」

「いや、だからさぁ....」



営業スマイルが徐々に剥がれていくのが自分でも分かる。



本当、お前、この笑顔、あるうちだぞ



「い、い、で、す」



にっこーと圧とともに満面の笑みを捧ぐ。

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