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秘密の時間は私のもの

第26章 忠告

しかし、上野の表情はさして動かず


代わりに小さな溜息を吐かれた。



「それは、"してもらう"ことじゃねーだろ」



ごもっとも。


正論そのもの。



だけどなぁ

その言い方だと地雷も踏んでんだよ。ばぁか



その地雷を俺は容赦なく突き付ける。



「自分からする気はあんだ?」

「つ?!」



耳まで真っ赤で、分かりやす過ぎる反応。



「ち、違うからな?!別に、そんなんじゃ!」



その上この慌てぶり。


そんな否定の仕方じゃ、肯定しているようにしか見えなくなることを


こいつは自覚しているのだろうか。



賢いのか、アホなのかよく分からんな


だけど、この反応を見れて安心した



上野が颯太に惹かれているのは一目で分かった。


でも、その惹かれるがどういうものなのかまでは判断が付きにくく


どこから俺はサポートを、と考えていたところだ。


こいつに"そういう意味"で惹かれてるって自覚させるところから


なんてメンドくさくていや、と思ってたところでもある。


それに.....


上野に自覚がなかったらまた俺が変な期待を抱く。


颯太のためにそれだけは見せないと心に決めたしな。

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