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秘密の時間は私のもの

第26章 忠告

なんていう茶番も程々に。


どんな顔しようと、こいつがイケメンであることは揺るがないんだし


本気で本題に移らねーと、昼休みも終わってしまう。



「お前、好きなんだろ。颯太のこと」

「っ......それ、そのまま」

「茶化すな。知ってると思うが、颯太もお前のことが好きで両想いな訳だ」



だったら、俺がすべきことなんて無いように思える、が。


公園での颯太を見るに、全く上野の気持ちに気付いてる節がない。


俺以上の鈍感をこじらせてるあいつに効くのは


本人からの告白。


つまり、上野が告白すれば万事解決する訳だ。


それを俺は誘導、なぞしなくても


真っ直ぐ何事にも向かうこいつは、簡単にそれをやってのけるように思う。


そこまで思っているにも関わらず、俺が動くのは



「.....そうだとは限らない....し、さっきから自分の話、全然じゃねぇか。藤塚
まさか、自分は身を引くだとか言うんじゃねぇだろうな」



こいつのこれ、"いい人センサー"が働いてしまうからだ。


"そうだとは限らない"ってどこを見て言ってんだか。


颯太は、あんなにお前が好きなのに。


俺の胸が苦しくなる程、お前を見ているのに。

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