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秘密の時間は私のもの

第27章 有言実行

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あぁ、良かった。


俺の作戦通り。


本当はパンチを真っ当から受けるつもりは無かった訳だが。


餞別としてもらっといてやる。



ぐりっ



「いっでぇ!てめぇ、もう少し優しくできねぇのかよ!!」

「何を言いますか
こんなこともあろうかと、事前に救急箱を用意していた私に貴方はもっと感謝すべきです」



そもそも、何故


“こんなこともあろうかと”なんていう予測が出来たのか。


そのためにはまず、今日上野がこの場に来ることを


事前に分かっていなければいけないのだが。



それをこいつが知る手段は1つしかない。


それは



「今日昼、いたのか。この場に」



あの会話を聞くこと。


それでも、当人の俺は来たことに多少驚いたのに


こいつは断定しやがったってことだ。


だからって、別に責めるつもりは無いし


責めたってどうせ無傷、と思って放った言葉なのだが。


滝波はうんともすんとも言わず、黙々と殴られた俺の頬の処置をしている。



「......おい。聞こえてる?」

「......」



いつもはうざいと思うほどの饒舌。


なくなるとこれ程までに寂しくなるのか。



なぜ、喋らない?

少しでも罪悪感がある、とか?



.......ない。それは断じてないに決まっている。

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