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秘密の時間は私のもの

第28章 初めて

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あぁ、やってしまった....


手を、上げてしまった.....


きっと、いや、絶対、痛かっただろう。


殴った俺が痛いんだ。


殴られた方が痛くないわけない。


どんなことがあっても、暴力だけはダメだと自負していたのに。


立川の泣き顔を見た瞬間


止めるだとか、言葉で諭すだとかそんな冷静な判断は何処へ飛ばされた。


藤塚の本心は汲み取っていたのに。



“こいつ、なんてことを....!!”



怒りが率先してしまった。


藤塚はそれを望んでいたように


俺に殴られたその直後、微かに口角が上がっていた。


そこで、我に返ったけど、謝らなきゃって思ったけど


臆病な心がそれをさせてはくれず


睨んで、挙句に立川を



あ.....そういや、立川!



考え事してて、すっかり放置状態にしてしまっていた。



ぎゅぅ....



俺の気付かぬ間に、どうにか気付いてもらおうと


俺のカッターシャツを必死に握っていたらしい。


今だ握っているその部分はもうくしゃくしゃだ。


その上、俺の腕の中でなれる小ささになり


震えているではないか。

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