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秘密の時間は私のもの

第29章 相談

まあ、粗方、颯太がイく寸前で告白。


そんな状況で聞いているとは判断しなかった、ということだろう。



あ、なんかすげーあってる気がする

俺、成長したな



短期間での自らの成長に感動を覚える。


っというか、それが何の問題に?


知らないなら教えてやればいい。



“僕は貴方の告白を知っています”

“僕の気持ちも知っているのでしょう?”

“では....”



なんて感じで、向かうはハッピーエンドしか無い筈だが。


颯太もアホじゃない。



そんなこと、分かってるんじゃないのか?



じーっと見詰め、その旨を問い掛ける。


颯太は汲み取ったようで、多少狼狽えた後、口を開いた。



「分かってるよ。上野の告白、知ってるよって上野に言えばいいんでしょ?」

「そうだな。それ以外に何があんの」

「っ.....だ、だって」

「だって?」



颯太は俺に何かを伝えたいのか必死に目で訴えてくるが


俺は全く読み取れない。


なんだ?と首を傾げる俺に、颯太は焦れったそうに言葉を吐く。



「だから、あれだよ!」

「図書室では静かに」

「す、すいません...」



そういえば、ここが図書室というのをすっかり忘れていた。


こんなに話し込む場所に何故、図書室を選んだのか。


今頃になって疑問に思い始める。

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