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秘密の時間は私のもの

第29章 相談

着目点が確実にずれ始める俺を、すかさず颯太が繋ぎ止める。



「だから、さ........ルール4が適用されちゃうでしょ...」

「.....まあ、そうだな」



俺は、至ってシンプルに正解である相槌を返した筈だ。


それなのに、颯太の顔は不満いっぱいで。



「“まあ、そうだな”って.....なんで、そんな簡単に.....」



何故、ルール4が適用されることで颯太はこんなにも悲壮感漂っているのか。


.......いや、思い付く理由はしっかりある。


だけど、それは俺にとって都合が良すぎる上に


今は、あの時とは状況が違う。


あの時は上野が自分を好きと分かっていなかったから


そう思う余裕があった。



でも、今はそんなこと考えられない程、幸せな筈だろ?



それなのに、それを念頭に置いてくれたなんて知ったら、俺は........



「もし、適用されたら.....」





「亞と、話せなくなっちゃうんだよ......?」





また、自惚れてしまう。


颯太はいつもいつだって、優しい。


その優しさに当てられてポロリと言ってしまえば


颯太は自らの幸せを、ずっと想っていた上野との未来を


たかがルール4のために捨ててしまいそうで。

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