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秘密の時間は私のもの

第29章 相談

その目からは既に雫が零れていて。



「そうか。分かった。ここ、な」

「っ!!!」



颯太の意思などガン無視で


さっきよりも強く、意図的にそこを擦るよう往復する。



「!!!んん!!」



漏れそうになる声を自分の指を噛むことによって


制そうとする颯太。


傷をつけて欲しくはないと、その指を離させ


代わりに俺の指をくわえさせる。



「ん...ぐ、ふ....」



颯太はこんな時まで優しいらしく


俺の指を噛まないようにと歯を若干浮かせているらしかった。



なぁ、颯太

自分を泣かす奴に優しさをやって、どうすんだよ

なぁ....



その優しさが俺にとっては酷く残酷で


それを少しでも汲み取ってくれない颯太に苛立ちを覚える。


気付かせないようにしてるのは自分で


気づいて欲しくないと思ってるのも自分なのに


なんて勝手なんだろう。


気持ちがそう諭しても、体は言うことを聞かないようで。


顔は、颯太の白いうなじに近付き



がぶっ



自分の跡をつけた。



「ッ?!?!」



拍子、自身の指にも強い刺激。


噛まれた痛さに歯を食いしばり、それが俺の指に食い込んだらしい。

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