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ハッとした颯太が口を緩めれば、見えたのは歯形、と


赤い、血。



「ぁ....ごめ、ごめんなさい....ごめんなさ...」



あぁ。いいんだ。颯太。


いいんだよ。


だって、俺は、嬉しいから。


お前に与えられるものなら、傷だろうと何だろうと嬉しくて仕方ない。


だから、そんなに謝らないでくれ。



「........亞？」



.....？



俺を振り返る颯太の顔、酷く驚いていて。


何故だろうと考え、すぐに気付く。


噛まれた指は、いつの間にやら俺の唇に。


無意識に俺は、その箇所にキスを落としていたらしい。



「つぐ、ん？！」



問い掛けをされる前に、俺は自らを颯太の蕾に挿入。


口を開けない状況を作ってしまう。



俺は、俺はどんな顔でキスを落とした？

一体、どんな顔で.....



その顔は、酷く愛しさを孕んでいたのでは。


だとしたら....だと、したら....



ッ......



ダメだ。動揺するな。


颯太が、不審がる。


大丈夫。


いつも通り、何も考えられなくしてしまえば。


颯太の腰を掴み、自分を打ち付けようとした時。


感じた頬への温もり。