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秘密の時間は私のもの

第30章 借し

放課後のあの場にも、普段の学校生活でも全くだ。


俺の“嫌われようキャンペーン”が大成したのか


上野に何かしらを伝え、付き合い始めたから


やはりルールはルールとしてしっかり受け取ったのかは定かではない。


しかしながら、急で驚きはしたものの俺の望み通りの結果。


万々歳。


終わりよければ全て良し。



やったね!俺!

もう嫌われようと奮闘しなくていいし

いちゃこらしてる2人を見ることもないから

苦しまずに済むよ!!



............なんてそんなすぐ立ち直れるはずもなく。


苦しみはない。


だけど、酷く悲しい。寂しい。


こんなんではダメだと思うのに


まっっっっっっっったくやる気が出て来ない。


お陰で、ずーーーーーーっと無気力で生きている。


今の俺はまるで抜け殻そのもの。


失恋などこの気持ちに気付いた時にしていた筈なのに


再度、もっとはっきりと経験している感じで。



あぁ、そういや....

あの女も全然姿見てねーな....



別にどうでもいいのだが。


契約を無視し、あの場に現れずヤることもしなくなった


俺(ら)に対し、文句のあるだけ言うのだろうと構えていた俺もいたから


その現状には正直拍子抜けした。

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