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秘密の時間は私のもの

第31章 デート①

故に、捕まえることも出来なければ、返すことも出来ない。


結果のこの始末。



.....なんてな



俺は、上野はそれを見越し、そうなるよう行動するって分かってたんだ。


正直、来れなくなる方法なんて多々あった。


捨てる、とか人にあげる、とかその類。


それらを俺は



捨てる.....捨てるってなんかなぁ....

人にもらったもん捨てるって、なんか気が引けるよなぁ....



人にあげる?

って、誰に

そんなあげる程仲いい奴俺、いたっけ?

それにそんなことするより、返して2人が行った方がいいんで?



こんな、普段なら絶対に思わないこと無理矢理思って、捨てたんだ。


“確実に来れなくならない方法”を俺は、自ら選んだんだ。



本当、何にも決断できねぇちいせぇ男



はは、と自分を嘲笑うが如く、小さく笑いを零す。


だが、人はそう簡単には変われない。


好きな奴と出掛けたいのは当たり前。


1番卑怯な方法を選んだとは言え、努力はしたんだ。



だから、許してくれ

想いを告げるなど、図々しいことはしない

本当の本当にこれで最後



自分に言い聞かせ、深く息を吸う。

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