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秘密の時間は私のもの

第32章 1ヶ月の出来事①

蘇る亞は皆が皆して僕に告げる。



“颯太.......ーーー”



聞きたくない知りたくないその気持ち。



だから、だから早く


消えて



何もかもを遮断するように、耳を塞ぎ、目を閉じる。


“綺麗”なんて笑わせる。



こんな自分の都合で人の気持ちを邪魔者扱いするなんて.....

僕は、もうとっくに.....



「立川!!」



いきなりの呼び掛けにびくりと体が揺れる。


目を開ければ、僕に1つ、影が落とされていて。


頭上からは、荒々しい息遣いが聞こえる。



「立川、大丈夫か?こんな所でうずくまって。どっか痛い?」



優しさが滲み出る気遣いと


“立川”と呼ぶその声は、紛れもなく僕の好きな人のもので。


ゆっくり顔を上げれば、見える顔。


酷く焦ったその顔に、心配そうなその顔に胸が締め付けられる。



本当に、本当にこの人が好きなのに.....




「うえ、の.....っ.....」

「うん。なんか、苦しい?」



“颯太.....す”



蘇る亞の表情と、気持ち。



嫌だ、嫌だ....今、いるのは、上野なのに...

上野に、上野に集中しなきゃ

僕は、上野が、好きなんだから



そんな思いは、いとも簡単に行動に現れ



ちゅっ



「?!」



僕は、勝手に上野の唇を奪い



「上野、抱いて.....?」



そんなことを口走ったんだ。

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