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秘密の時間は私のもの

第33章 デート②

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耳に届くは、ぎゃー!だのきゃー!だのどう考えても悲鳴で。


目に映るのは、そう叫んでも仕方ないような乗り物達。


そこで思い出す。


自分がそういうものを好きでなかったことに。


乗れない、と言うほどでもないが好んでは乗らない。


だから、勝手なイメージで


颯太は全く“乗れない”ものだと思ってたから、安心していたんだが.....


現在、それは大いに裏切られている。


颯太は、目をキラキラさせ


この遊園地で、1番悲鳴が上がっていると思われる乗り物を見詰めている。


そして、その乗り物が酷く近く感じるのは


それに乗るための列に俺等が並んでいるからで。



「楽しみだね!亞!」



颯太は、もう待ち切れないと言った感じを醸し出して


先程からそわそわ落ち着きがない。


俺も違う意味で、そわそわ落ち着きが無い訳だが。


そもそも好きじゃない奴が乗る絶叫系など、たかが知れてる。


角度も長さも速さもさほどない、1回転など言語道断。


そんなたわいも無いものだ。


その程度の絶叫系しか経験したことのない俺が


何故、90度近くある角度で1000mをゆうに超えていて


時速100km超え、1回転どころか3回転。


その上、自分も回るこいつに乗れると思うのだろうか。

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