秘密の時間は私のもの
第33章 デート②
落ちて回って、また落ちて。
苦手な奴がそれを繰り返す。
そうすりゃあ、どうなるかなんて馬鹿でも分かる。
チーン.....
撃沈。
颯太が楽しそうだから、まるで自分も楽しそうに感じたが
やはり、無理なものは無理らしい。
気持ち悪いし、気分悪いし。
目の前では、颯太が心配そうに見ているんだし。
本当、俺、何やってんだか
これぞ正に本末転倒。
「.....1番最初にも聞いたし
乗り物、乗り終わる度に聞いたのに....」
「あぁ、うん....
これは、完全に俺が悪い。気にすんな」
「気にするよ.....自分が楽しい事だけ優先して
亞のこと、ちゃんともっと気に掛けるべきだった」
しゅんとし、本当に落ち込んでいる様子の颯太。
何度聞かれても大丈夫と言い張ったのは俺だし
颯太の楽しそうな雰囲気に充てられて
超笑顔で“楽しい”と言ったのも俺だ。
そんな奴の何を見て苦手だと判断が付くのか。
「そう自分責めんなって
俺、大丈夫って言ってたし楽しいっても」
「でも!でも....気付いてたんだ.....
亞、顔が青くなってるの
それを、僕は....」
何を言っても、颯太は自分を責めるのを止めてくれないらしい。
どうしたもんかと息を吐くけど、反面どこか喜んでる自分がいて。