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秘密の時間は私のもの

第33章 デート②

乗り物に関しては、まあ....受け入れよう。


実際、ちょっと怖かった。


何にしろ、颯太がこんなに自責する必要は無いのだ。


その旨を伝える為、俺は、颯太に顔を上げるよう促す。



「颯太、顔、上げて」

「......」



返答はなく、顔を上げる気配もない。


何だったら、このまま言ってしまえばいいのだが


颯太の膝の上にある、固く握られた拳とか


その拳の震えとか見ると、目を見て言わなきゃ伝わらない気がして。



「.......そーた」



椅子から腰を上げ、颯太の顔を確認すべく、しゃがむ。


やはり思った通り、その顔は自責の念に追われ、今にも泣きそう。


床を見詰める颯太から、視線を外し、口を開く。



「......お前の悪いとこだよ。それ
全部、自分のせいにして、全部、矛先自分に向けて、我慢して
辛い思いして。お前、ドMかよ
少しは俺のこと責めて」

「責めたよ。責めたさ」



意外な返答に言葉が詰まる。



「なんで、なんで僕に、見せるんだ、って....
僕は....一途でいたいのにって」



.....おい、待て。


颯太は、何の話をしている?

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