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秘密の時間は私のもの

第35章 デート③

さっきの泣きそうな声とは裏腹。


強く、しっかりした声に思わず振り向けば


強い眼差しが俺を捉えていた。



「っ.....そ」

「だから、その、とりあえず、この方、どうにか、しよ....?」



....そうだった。俺はシリアスの神様に嫌われてるんだった。


強い眼差し、言葉はどこへやら。


そう言う颯太は情けない声音で、情けない表情をしていた。


でも、颯太の言葉に嘘はないとしっかり伝わった。


だから、仕方無い。


絆されてやろうと思う。



決して、お前を助けてやろうなんて気持ちはないがな



見ず知らずの倒れているそいつを、理不尽に睨み付ける。



「亞」

「分かってるって」



俺は、溜息を付き、その場にしゃがむ。



「おーい。大丈夫ですかー?」



とりあえず、声を掛けながら揺さぶりを起こしてみる。


しかし、案の定



「.......」



反応はない。


体はあったかいし、死んでる訳でもなさそうだが.....


ここは、素人よりちゃんとしてる人の方が良さそうだ。


とりあえず、遊園地の係の人に知らせるのが最善策と判断し


連れて行くため、背負おうと男の体を動かそうと試みる。


......が



ググググググ.....



全く動かない。

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