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秘密の時間は私のもの

第36章 尾行

これじゃ本当に


“付き合ってる奴(仮)が、他の男と遊んでるとこを見たかった”


みたいになって、マジでやばい奴みたいだが真相はやっぱり



「プライド?優しさ?負け惜しみ?それとも、ただのドM」

「......プライドが1番近いかもなぁ」



敢えてドMには突っ込まないスタンス。


俺は滝波に


“立川を幸せにしたい。そこに俺はいなくても構わない”


そう言ったんだ。


だったら、はっきりその意思を示すべきだと思ったし


何より、立川が藤塚といて、本当に幸せなのかも見たかった。


あの様子だと大丈夫みたいで安心した。



「......本当に、馬鹿ですね」



やっぱり視線は俺には向けない滝波のその言葉は


呆れているような、寂しいようなそんな印象を受けた。


俺は不躾ながら、滝波でもそんな声音吐くんだーなんて思いながら


その頭を2度ほど優しく叩いた。



「......何、してるんですか」

「あ?いや、なんか慰めるべきかな、と」

「.....止めて下さい。鳥肌立ちます」



弱々しい雰囲気は突風に飛ばされ、滝波はやっぱり滝波らしい。


頼んだ飲み物を勢い良く飲んだかと思えば立ち上がり、俺に向かって口を開く。



「私に
“俺なんかどうでもいい。颯太くんだけの幸せを”
そんな意志を見せたいなら、見せてもらおうじゃないですか」

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