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秘密の時間は私のもの

第36章 尾行

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俺なんかどうでもいい、は言い過ぎだと伝えるべきだっただろうか。


藤塚と立川への距離が先程に比べて異様に近い。


何かやたらに俺の背を押してきやがるし....


何をして欲しいのか、なんとなく察しはするが


基本、俺も立川が好きな1人。


兼、仮にも恋人。


こんなことまでして、意思を見せたいとも思わない訳で。


それを滝波が分かってないとも思えないから


まず、俺の察してることはないとして、聞いてみる。



「.....おい?」

「何してるんですか」

「こっちの台詞だ」



はぁ?と返ってきそうな目付きで、俺を見返す滝波。


口は開かずして、それくらい察せ、と目で訴えてくる。


心做しか、俺を押す手にも力が込められた。



.....これ、俺が察してるヤツのパターンだ


“お前があの2人のラブハプニングを手伝うんだよ”


パターンだ



俺が一般人を装い、ぶつかるは藤塚。


藤塚はきっと、咄嗟の判断で立川を自分の胸に収めるのだろう。


立川はドキッとして、藤塚は自分の無意識の行動に赤面する。


その様はきっと、恋人そのものなんだろう。

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